20090222

大学に行かない方が良い理由・行った方が良い理由

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小学生の子どもを持つ親はというと,だいたいバブル経済のど真ん中で生まれ育ち,バブル崩壊の前後(±10年位の範囲)に 就職された世代になるかと思います.ちょうどバブル崩壊後のタイミングで就職活動された人たちは苦労されたと思います. なかには就職浪人や,やむを得ず大学院へ進学したりという経験を持つ方も多いかと思いかもしれません.ちょうど今年も サブプライムの不況で,報道等を聞くと当時と似たような状態になっているんだろうと思います.

今年のようなケースでも,わずが1〜2年の差で天国と地獄とに分かれてしまったと,歴史は繰り返すんですねバブル崩壊の時と全く 同じです.でも5年も経過すれば今よりはずっと良くなるとは思います.

しかし,わたしの個人的な考えですが,今後バブル崩壊前のように安定して好景気が半世紀にもわたって継続するということは 必ずしも言えないということです.好不況の小さいサイクルが今後繰り返すことになるような気もしますし,やや後退していくような 気もしますし,好転するような気もしますし.いずれにせよ確かなことは経済を正しく先読みすることは困難ということです.

ですから,親としては今後しばらくは不安定な状況が続くと思って良い意味にも,悪い意味にもあまりあてにしないという ことが重要だと考えます.であれば,大学の4年間の時間経過で状況がずいぶん変化してしまうこともあるかもしれませんから. 節目節目で流動的に選択決定していくということも方法のひとつです.

大学に行くということを,ビジネス的な投資としてとらえると,対する経済的効果は,仮に就職するだけであればその後の給料の 増加分等で価値が越えるかどうかということです.特に専門学校や大学院については,ほとんどの企業においてもプラスになること は給与体系から言って無いと思います.大学については,将来会社が栄え出世してはじめてプラスになると思います.しかし,今後は どうなるかは確かなことはいえません.現在でも寿退社とかしてしまうと(おめでたい話なんで言いにくいですが,親の立場として) マイナスが確定することは確かと思います.人生数値だけではありませんから,価値観をこうした数値の上にだけとらえることは 実際ナンセンスなんですけどね,(わかっていると思いますが一応言っておきます,あわせて大学に行くという目的は,お金だけの 目的ではありませんけどね.しかし,本当に技術やらを身につけて入社してくる新卒者は,一部上場の企業でもほぼ皆無であることも 事実です.私自身も含めて皆,会社/仕事で育つ(った)んですけどね).

高度成長期を支えた世代は確実に,大卒の方が有利であったと思います.それは,稀少の価値もあったし高度な工学などの技術を 必要としていたからなのです.現在でも,大卒の方が有利であることは事実ですが,最近の工学系の技術も隠蔽化していて アプリケーション的に多くの製品が開発できるような環境が整ってきていて,昔のように高度な技術を要していた分野もほとんど技術を 必要としなくなってきているということと,そもそも大卒が多いので技術・知識の希少価値も消失しているということが背景にあり, 今後,需要が細っていく可能性もあります.

高卒でも希少価値さえあれば,大卒を上回るような給与を得ている(た)人も多くいます.(5〜10年くらい前の)IT系プログラマや 金融業界等.ですから,単に数値の話だけで語るのであれば選択眼の方が,単に大学を出るということの価値を上回っているというように 考えることもできます.今後は重要なキーワードになるかもしれません.

今後,ますます少子化が進み大学にもほとんど無試験で入れるような時代がくるかもしれません.となれば,学力の低い大卒者が今後 多くなることが予想されます.しかし,企業や経営者の立場とすれば,優秀な人材がほしいことは事実です.企業側で単純に学力がほしい とすれば学力のない大卒者は,価値が無くなっていくのかもしれません.同時に,数値の上でも価値を適正な評価に下げる可能性もあり ます.



要するに,漠然と大学を出るというだけでは,”それで?”と返されてしまうことになりかねない訳ですから.”それで”から先の市場に おける自分の価値が評価されていくことになるんでしょうね.簡単に他にマネされないようなことを身に付けることが今後大切になるのか もしれません.逆に,学生が就職することを目標にするのであれば,企業側/経営者側の採用ニーズを事前に知っておきそれに見合うよう な技術・専門知識をもっておくことが今後は必要になると思います.

何となく大学を出ればという幻想は,すでに現在の学生には無いと思います.バブル後の世代も良く知っていることではありますが. それでももし,私がこれからの子どもたちに大学を出ることを前提に考えるなら,単純なところでは国家資格・免許を取得することを 目的とするということを薦めます.たとえば,医師免許,弁護士,会計士,薬剤師(今後自由化で限りなくグレーですが),一級建築士, 教員免許など,それが無いとその職に就けないという免許の取得ですね.アドバンテージを得られる訳ですから(取得後のその後の道の 険しさは,それぞれあるんでしょうけど).こういうものに流行り廃りはありませんから,好不況に応じて需要の変動は少ないですからね.

一言でいえば,目的を持って大学に入り,目的を遂行するということなんじゃないでしょうか.もちろんリスク・テイクしていって 時代の波に乗るぞ!というのも私個人的にはとても好きな発想ですが.






[記事URL] http://dorilu.net/blog/?th=2009022200
カテゴリー:コラム(15)